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●サギングアイ

第二の老眼?「サギングアイ症候群」とは?  

ダンディズム 2025.04.03

加齢によって眼の機能が低下し、眼で見る能力が弱くなる「アイフレイル」。関連する病気には白内障、加齢黄斑変性、緑内障などがあるが、新たに「サギングアイ症候群」が注目されている。別名「成人斜視」ともいわれ、発症する患者は毎年およそ14万人。決して珍しい病ではない。

そもそもサギング(sagging)とは「たるみ」の意味で、サギングアイ症候群はコラーゲン組織でできた眼球を支えるじん帯(眼窩プリー)がたるむことで発症する。たるんだじん帯は眼球を正しい位置で支えられないために斜視の症状が現われるのだ。
じん帯がたるむのは加齢によるコラーゲンの減少が原因で、男性よりもホルモンの影響を受けやすい40代後半~50代の女性の方が発症しやすい。
主な症状は視界のぼやけ、立体感の消失、距離感がつかみにくいなどさまざまだが、症状は年単位でゆっくり進むためほとんどの人は加齢による不調と思い込みやすい。
しかし症状が進行すると「複視」になり、ありとあらゆるものが二重に見える症状に悩まされる。近くを見る時はあまり気にならないが、遠くにある一棟の高層ビルが二棟並んで見えるなど症状は非常に不快なもの。過度なストレスで生活の質が著しく低下し、人によってはひとりで外出できなくなることもある。
但しすべての複視の原因がこの病気によるものではないため発症した時は即座に専門医を受診する必要がある。
幸いなことに複視になったとしても対処法は斜視と同じ。光の道筋を屈折させて眼の位置のずれを補正する「プリズムレンズ」のメガネを使用すれば症状はかなり軽減できる。ずれが激しい場合でも手術という選択肢がある。
最後にサギングアイ症候群の簡単なセルフチェックをご紹介しておこう。
 ①両眼で遠く(5m以上)を見て見え方を確認
 ➁右目を隠して左目で➀と同じように見え方を確認
 ③左目を隠して今度は右目で見え方を確認
この時両眼より片目で見た方がはっきりと見える場合はサギングアイ症候群の可能性がある。これは左右の眼球に異常がないにもかかわらず、眼球の位置がずれているために両眼では見えにくくなるためだ。通常片目ずつ行う視力検査でずれは見つけられないため眼科健診では見つけにくい。
また朝よりも夕方に症状が出やすいので夕方になると何となく遠くが見づらい、クルマの運転がしづらいなどの症状を感じる場合はこの病が潜んでいることがある。
 サギングアイ症候群を予防するにはパソコンやスマホの使用時は定期的に目を休ませる、目のストレッチを習慣づけるなど眼の筋肉への負担を軽減して睡眠を十分とることが大切だ。
複視になって眼科医を受診する人は増加傾向で、現代のライフスタイルが目にどれほど大きな負担を強いているかは明らかだ。    

 

 

 

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