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●SIBO

腸内細菌の増えすぎ?新しい小腸の病「SIBO(シーボ)」  

ダンディズム 2025.06.02

SIBOはSmall Intestinal Bacterial Overgrowthの頭文字で「小腸内細菌異常増殖」のこと。 小腸で細菌が異常増殖することでお腹の張りやゲップ、胃酸の逆流、下痢や便秘などの不調をひき起こすことがわかっている。 2020年頃から認識され始めた新しい疾患で不明な点もまだまだ多い。

腸内細菌は胃から離れて大腸に近づくほど増えるため、胃に近く消化吸収が役割の小腸には本来ほとんど生息しない。
ところが脂肪分の多い食生活や暴飲暴食、腸の収縮運動機能の低下、大腸から小腸へ細菌が逆流するのを防ぐ弁の不調、胃酸や胆汁の分泌が少ないなどの要因が重なることで、小腸に細菌が異常に増殖する。
こうして小腸の環境が乱れると水素、メタン、硫化水素などのガスが大量発生し、下痢や便秘などの便通異常や胃の圧迫感、胃酸の逆流を引き起こすほか、アミノ酸やビタミン、ミネラルといった人体に欠かせない栄養素の吸収も妨げてしまう。バランスの良い食事を摂っても、それがあまり生かされないということだ。
こうした環境の悪化が長引くと小腸は慢性的に炎症を起こし、脂肪肝や肥満、耐糖能異常、さらには睡眠の質や認知機能の低下、自律神経の乱れといった思わぬ合併症につながることもわかっている。
しかもこうした腸の不調が現れると多くの人は腸に良いとされる発酵食品や乳酸菌を多く摂りがちになり小腸内で細菌をさらに増殖させてしまう。
またSIBOとよく似た症状の病にIBS(Irritable bowel syndrome/過敏性腸症候群)があるが、SIBOが小腸の細菌の増殖が原因なのに対しIBSはストレスや生活習慣、食生活の乱れによる腸の機能の悪化が原因とされている。
SIBOとIBSは治療法が異なるため医療機関で原因を特定してもらうことが重要だが、現時点では保険の対象になっていないものもあるので事前の確認をおすすめする。 SIBOの検査は小腸の内視鏡で炎症の有無を確認し、呼気の中の水素やメタンガス濃度を測定するのが基本。SIBOと診断されると抗菌薬の投与や腸内環境を整える食事療法を行っていく。
一方IBSと診断された場合は生活習慣の改善、食事療法、薬物療法、心理療法などが中心となる。
最近になってSIBOとIBSの両方の病を抱えている患者が多いことがわかってきたが、食事療法に関してはいずれも「低FODMAP食」が効果的とされている。
先に挙げたように発酵食品や乳酸菌、さらに食物繊維(=高FODMAP食)はSIBOとIBSにとっては逆効果になるためだ。
FODMAP食については過去にも紹介しているので、下記のURLを参考にしていただきたい。
おなかに不快な症状が出ても市販薬の胃酸止めやおなかの張りを抑える薬などでごまかしていると、症状がさらに悪化することもあるので自己判断は禁物だ。

FODMAP食についてのバックナンバー
(http://www.grandstyle-u.jp/self-improvement/dandyism/202203fodmap/index.html)    

 

 

 

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